大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(オ)24 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告理由第一点及第二点について。

原判決は、上告人等主張のごとき轉貸借の事実は本件証拠上これを認めることは

できないと判示しているのであつて、原判決の説示するところにより、その理由は

十分に首肯されるところである。かさねて右轉貸借の存在を主張する論旨は原審の

自由裁量に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものか、または原審の認

定しない事実に立脚して、原審の法律の適用を攻撃するものに過ぎず上告の理由と

して採用することはできない。たゞ原判決は上告人A1は訴外DE支部が被上告人

から賃借した家屋に罹災者として入寮していたという事実を認定したことは所論の

とおりであるが、その入寮するに至った経緯については原判決は前記E支部は昭和

二〇年四月一八日事務所用として被上告人から本件家屋を賃借したが手狭のため二

箇月位で向側のF方に事務所を移轉したか依然として本件家屋内に金庫等の家具を

置き役員の会合場所ともし、又組合員中戦災に罹つた者を一時収容する寮として使

用することとしたこと、上告人A1は同年五月戦災に罹つてE支部の許を得て当時

同上告人の仕事に従事していた上告人A2と共に同月中右家屋に避難し来り、同年

六月中上告人A1と同一事情によつて本件建物に移轉して来たE支部の役員訴外G

と共に住むに至つたと認定しているのであつて、右によれば本件家屋の賃借人E支

部が自ら該家屋を使用するとともに、かたわら、罹災者を一時収容する寮としても

これを使用し、上告人A1、A2も罹災者として一時これに収容せられたという事

実関係であつて、原判決の趣意とするところは右A1等の本件家屋の使用関係はた

ゞ事実上その使用を一時的に許容されたものに過ぎず、賃借人たるE支部との間に、

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賃貸借、使用貸借等の法律上の權利関係が設定せられたものではないことを判明し

たものであることは原判文上、十分に看取せられるところである。しからば、原判

決の右の認定は前示のごとく、轉貸借の存在を否定したことと何ら矛盾するもので

はなく、上告人等は、被上告人に対して、法律上対抗し得べき何らの占有使用の権

原をもたぬことなあきらかにしたのであつて、原判決には、所論のごとき違法は、

存在しないのである。論旨はいづれも理由はない。

よつて本件上告は理由がないから民事訴訟法第四〇一条第九五条第八九条により

主文の如く判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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